伝わるPR クリエイターインタビュー② 社長プロフィール写真の「伝わる」~撮影は準備が9割~

クリエイターさんたちに、各分野での「伝わる」ための工夫をお聞きする「クリエイターインタビューシリーズ」。
第2回はカメラマンの匹田裕子さんに、写真の中でも「社長のプロフィール写真」に絞ってお話を伺いました。

Be photogenic 匹田裕子さん(カメラマン)

【プロフィール】
愛知県東海市在住のカメラマン・動画クリエイター。観光地で写真を撮影する企業に勤務後、2018年に独立。結婚式やお葬式、イベントなどの写真を中心に仕事をしてきたが、コロナ禍を期に企業案件にシフトを移す。現在は、写真と動画をともに依頼できる事業者として活躍中。

"伝わる"ためのポイントとは?
  1. 制作をクリエイターに依頼するとき
  2. クリエイターが制作物を作るとき
  3. 一般の人が自分で制作したいと考えるとき

撮影は準備が9割

撮影の打合せ

PRツールの制作においていろんなクリエイターさんと仕事をしてきた中でも、カメラマンという仕事は専門性が高く、芸術へのこだわりが強い人が多いのでは?と思っていました。

そんな中でのインタビューで、印象的だった匹田さんの言葉が2つ。

「私は、カメラマンはサービス業だと思っています」

「撮影は、準備が9割。当日の撮影の腕は1割ぐらいのものです」

初めは専門性に対する謙遜かなとも思いましたが、話を聞くにつれ、その細やかな準備、当日の配慮…。その部分にこそ、プロだなと思わせられる知識と知恵と経験が詰まっていました。

「気軽にどんどん撮って、カメラの楽しさを感じてほしい」という思いでいろいろ教えてくださったので、プロフィール写真をはじめ、ぜひ皆さん自身での撮影も頑張ってみてください。

まずは、準備の話から。「当日まで」と「当日」の2つに分けて紹介しますね。

①当日までに確認すべきこと

事前打ち合わせ全くなしで、当日現れるカメラマンは稀(というか、それはキャンセルした方が良いくらい危うい話)。
普通は少なくとも、電話やメールで事前に話をして、色々決めてから当日を迎えるそうです。

「ここでまさしく、①のクリエイターへちゃんと希望が「伝わる」ことが大切になってきます」と匹田さん。

「こちらが一番お聞きしたいのは「撮影の目的」。どこに掲載するために、何を撮りたいのか。それが無くては始まりません。また、どこで、どんな感じに撮ってほしいのかも伝えていただきたいです」

また、当日の時間配分もあるため、可能性のあることは事前に知っておきたいそう。

「例えば『複数の場所で撮影できるか』『何ポーズも撮影できるか』『衣装替えはできるか』など、やりたいと思っていることは、事前打ち合わせの時に確認いただけると良いですね。カメラマンによって料金体系もさまざまですし、どのくらい時間を見ておけば良いかも変わってきますので。当日になって相談されて、時間が無くて希望が叶わなかったなんて、もったいないですもんね」

②当日現場で確認すること

そして迎える当日。ここで気を付けていることを訊いてみると、短い時間でそんなにあれこれ見ていたのか!と驚くようなプロの目でした。服装と、顔の2点に分けてまとめてみました。

「服装でいうと、ネクタイや服にしわが無いか、スーツの袖から片方だけカッターシャツが出てしまっていないか、いつものくせで腕まくりしていないか、肩の開いた服の時は下着が出ていないかなど。スーツのプラップ(ポケットのふたの部分)が、右は入っているのに左は出ているとかも要チェックです。

胸ポケットにも目が行きますね。普段、胸ポケットにボールペンを入れている方、多いですよね。ボールペンの芯が出たまま入れちゃって、そのインクがポケットに何度もついて、ポケットの下の方が黒や青になっていたりするんです。写真に撮ると、しっかり目立っちゃうので」

「お顔については、まずは髪ですね。直前にはねてしまったり、外だと風で前髪が目にかかってしまったり。耳の高さが違って、メガネがズレているのが通常モードの人もいます。その場合は、撮影の時だけちょっと耳からズラしてもらい、左右対称に見えるようにします。鼻毛も…言いにくいんですが、指摘させていただきます。おひげをちょっと剃って整えていただくことも。他にも、爪のマニキュアも気になりますね」

こうしたチェックを短時間の準備の間にささっと自然にできるのは、まさしくプロ。
匹田さん自身もカメラマンとして日が浅いころよりも今の方が気づけることが増えたそうなので、やはり経験も大きいですよね。

笑顔の写真を撮るには?

カメラで撮影

そしていざ、撮影に入ります。社長さんのプロフィール写真というと、どんな写真が多いですか?と聞いてみると…。
「たまに個性的な写真を撮りたがる方もいらっしゃいますが、たいていは自然な笑顔の写真を求められることが多いですし、私もそれをお勧めします」とのこと。

新進気鋭のスタートアップなら個性的なのもアリだと思いますが、たいていの企業の社長に世の中が求めているものって、信頼感や感じの良さですよね。はじめの図でいうと②の、クリエイターが制作物を作る時という部分になりますが、多くのカメラマンは、世の中がその企業に求める像に合う写真を撮れるように、工夫していると思います」

でも、感じの良い、自然な笑顔の写真を撮るのって、実際のところ難しいですよね。私も取材ライティングと一緒に、簡単な撮影を依頼されることもありますが、その場で初めて会う方の自然な笑顔を引き出すのには、苦労することもあります。そんな時の声の掛け方を訊いてみました。

「笑顔が足りないな、と思ったら、もうちょっと笑顔でお願いします!と言っちゃって大丈夫ですよ。言い方は大事なので、申し訳ないですが…という気持ちを込めて。
社長さん自身も、カメラに向かって笑顔をつくるなんて慣れていないので硬くなりがち。自分では全力で笑っているつもりなのに意外と笑えていない、ということも多いんです。口角を上げているつもりなのに、口がへの字になったままとか。

笑顔で!とお願いすると、たいていの方は照れくさそうに笑ってくださいます。そうしたら『今のもとっても良いんですけど、あともう少しだけ!』とか。
場の空気感を良くしていくのも、カメラマンの大事な仕事。和んだ場で大笑いしちゃった後などに、ふんわり柔らかいお顔をされる方が多いので、それも逃さずに撮るようにしています。それがその日一番の笑顔だったりするんですよね」

社長プロフィール写真のポージング

社長写真

ポージングについても、少し聞いてみました。

「社長室があれば、椅子に正面から見て斜めに座って、机の上で軽く手を組んで、顔は少し斜め向き、目線は正面。これが一番基本的で落ち着きますね」

たまに腕組みの写真を見かけますが、ああいったポーズはどうなのでしょう。私自身は、偉そうに見えないかな?と心配になることもあるのですが…。

「俺に任せろ!というような雰囲気-頼りがいや男らしさを示したい場合ならば、アリだと思います。ポーズも結局、どういう雰囲気を出したいかによるので、世間にどんなふうに見てほしいかに合うポーズを、ということになりますね」

「利き手」のように「利き顔」もある

右向き/左向き

そして今回の取材で初めて知り、皆さんに紹介したいと思った言葉が「利き顔」

利き手という言葉があるように、「利き顔」もあるんだそうです。先ほど、「社長室で椅子に斜めに座る」と書きましたが、斜めに座った時に見える顔が、右側が良いか左側が良いかは、人それぞれだそうで。写真で見たときに「自分らしい顔だな」と思う方が、利き顔らしいですよ。

「気を付けてほしいんですが、普段対面で見ている時と写真に写った時に、利き顔だと感じる顔が逆のことがあるんです。なので必ず、写真に撮ってみて、どちらが利き顔かを判断しましょう。私はいつも、その場で写真を確認できるよう、タブレット端末を持ち込んでいます」

その場で一緒に確認することにはほかのメリットも。
撮影時には気づかなかった服装の乱れに気づいたり、求める雰囲気にさらに近づくように工夫ができたり。

写真になってみて気づくことが本当にたくさんあるんですよね。お客様とも共有できるので、タブレット端末は仕事の必須アイテムです」

取材中、匹田さんが何度も言っていたのは「タブレットでのチェック時も含めて、気づいたことは何でも言ってみてほしい」ということ。

「カメラマンが気づいていないことがあるかもしれないし、言うのは失礼かななんて、思わないでくださいね。後々気になってしまい満足度が下がる方が、お互いに不幸ですから」

これは「伝わるための工夫」よりもっと手前の「伝える勇気」といったところかも。相手を尊重するからこそきちんと伝えるということを、心掛けたいですね。

スマホでもいい写真は撮れる

スマホ撮影

③の「一般の人が自分で制作したいと考えるとき」については、「ちょっとしたコツが分かると、写真はどんどん楽しくなりますよ」と、小さな工夫をいくつもお話しいただきました。

5つのワンポイントテクニック

  • 背面の壁との距離を空ける(壁がぼやけた方がポートレートっぽく素敵に写る)。
  • 近くからピッタリのサイズで撮るよりも、少し遠めからズームして撮った方が、影も出にくくきれいに撮れる。
  • 屋外で撮る時は、あえて逆光を活用。逆光を横から当てると、髪がツヤツヤと光ったように撮れる。
  • 屋内で撮る時は、窓際でレースのカーテンだけ閉め、柔らかい光を横から浴びて撮ると良い雰囲気に。
  • 背景になる部分はできるだけ片づける。何かが写り込むと目が行ってしまう。シンプルにスッキリと、が基本。

「今はスマホにもいろんな機能があり、かなりいい写真が撮れます。撮影機材をそろえなくても、スマホの機能を利用して使いこなせば十分。昔と違って、失敗したなと思ったらデータを消せばよいだけですし。
社内の皆さんで撮り合うなら、普段から関係性が出来上がっているので、もしかして私なんかよりも唯一無二の社長の笑顔が撮れるかも。プロフィール写真だけでなく、普段の仕事風景や商品写真など、また動画も含めて、どんどんチャレンジして発信していくと良いと思いますよ」

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匹田さん、ありがとうございました!
「写真」「撮影」という分野においては、「どう伝えたらちゃんと伝わるか」という点よりも、「気づいたことはその場で伝え合うようにする」というシンプルな態度が大切になってくるのかもしれないですね。

そうした指摘を広い度量で受け、一緒に良いものを作ろうという姿勢のあるカメラマンさんに撮影をお願いすることが、かなり重要ポイントな気がしました。「カメラマンはサービス業」と言い切ったった匹田さんに、プロとしての清々しさを感じた取材でした。

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