【中堅・中小企業向け】入社式の社長挨拶、何を話せばいい?~スピーチの書き方、構成、話し方について~

入社

リモートワークやオンライン会議が浸透した今でも、新入社員を迎えての入社式だけはしっかりとやる、という企業も多いようです。
入社式での社長挨拶は、どんな内容で、どのように話すのが良いでしょうか。インタビューライターの視点から、構成や文章作成のポイントを提案します。

入社式に社長挨拶がある理由

入社式

入社式に社長挨拶が無いという企業は、ほとんど無いでしょう。社長挨拶は、入社式のメインだと言っても良いかもしれません。
なぜ社長挨拶があるのか、それを考えることが、入社式ならではの社長挨拶文を考えるスタート地点です。

今年初めて社長挨拶をする方も、毎年挨拶しているけれど満足いかずに今このコラムを読んでくださっている方も、自分が新卒で入社した時の社長挨拶を思い出してみてください。少しピリッとした気持ちで、自分の所属する会社のトップはどんなことを考えているんだろうと、耳を傾けたのではないでしょうか。

そう、入社式には少なくとも2つの大きな役割があります。

  • 学生の気分を抜いて、いち企業人として社会に出ていく節目の儀式的役割
  • お客様ではなく従業員であることを認識させ、会社への帰属意識を根付かせる役割

そのために社長挨拶は不可欠であり、入社式というタイミングで話をすることは、この先のどんな瞬間よりも新入社員が真剣に耳を傾けてくれる、とても大切な機会なのです。
しっかりと活用してやるぞ、という意識をもって準備できると良いですよね。

どんな内容で構成するか

過去・現在・未来

私自身がインタビュー取材をして挨拶のシナリオを書くとしても、実際は千差万別になります。企業によって厚みを出したいところが違いますし、社長と社員の距離感によっても変わってくるからです。
ひとまずここでは一番ベーシックな構成を書いていきますね。

「導入・パート①・②・③・締め」の5つのパーツで構成します。

入社式の社長スピーチ構成(基本型)

導入祝いの気持ち
パート①事業内容の説明や社長自身についての紹介
パート②会社の価値観や未来へのビジョン
パート③新入社員に期待すること
締めともに頑張ろうという気持ち

入社式である以上、祝いの気持ちはどこかに入れたいので、導入に入れてそこから挨拶を始めるのが適切でしょう。ただ、王道の「本日は入社おめでとうございます」という言葉が、自社に合うのかは一考した方が良いかもしれません。

激戦を勝ち抜いての入社だとしたら合っている気もしますが、何がおめでとうなんだかピンとこないケースも。場合によっては上から目線に感じられてしまうかもしれません。
「この善き日をともに迎えられたことを嬉しく思います」くらいの方が、上下が無くて良い気もします。

主に「現在の事実」を伝える部分です。
会社によっては、入社式までに社長と会う機会が最終面接くらいしかなかったということも十分考えられます。ここで社長の「顔」「名前」「どんな人物か」などはしっかりと覚えてもらうようにしましょう。

気を付けたいのは、長くしすぎないこと。
事業内容は簡潔に。細かな説明までするのは、社長挨拶にはふさわしくありませんし、聞いている方が飽きてしまいます。パート①は、②や③で大切なことを伝えるための、助走のような部分だと思ってください。

パート①が事実だとしたら、パート②は想いと未来です。
会社の価値観や未来へのビジョンを語ることにより、どちらの方向を目指して仕事に臨めばよいかという長く大きな視点での矢印が、新入社員さんの胸の中に生まれます。
これがあるのと無いのでは、翌日からの仕事への考え方、取り組み方が違ってきます。必ず入れてほしいパーツです。

ここは、社長挨拶の中でも一番入社式らしい、大切にしたい部分です。
②をうけて、そのために皆さんにはこんな風に頑張ってほしいという流れで話します。
意識のもちかたなど抽象的な話になりがちだと思います。前半はそれでよいですが、後半はできるだけ彼らが具体的にイメージできるところで、話がひとつふたつ入れられると良いと思います。

例えば、前半が「全員で会社を良くするという意識をもち、新入社員だからこそ気づくことを、積極的に周りに伝えていって欲しい」という内容なら、「社内に目安箱が置いてあるので、月に1つは入れる意識で。ナイスアイデアには表彰制度もあります」など。どう動くのがこの会社での正解なのかを、分かりやすく伝えましょう。

また、期待だけでなく安心感をもたせることも社長の重要な役割。福利厚生や、先輩社員によるサポート精度などを簡潔に、ここで話しても良いでしょう。
トップにいる人がこういう考えなら頑張っていけそうだという安心が、ここでやっていきたいという愛着につながります。

短い言葉の中に、「ともに頑張ろう」という気持ちを込め、相手にも同じように感じてもらえるようにしましょう。あまり格式張ったり飾り立てたりした言葉よりも、率直な方が心に届くと思います。

スピーチを聞いた新入社員に「モチベーションがあがった」「いい意味での企業人である責任感が芽生えた」「会社に愛着が沸いた」「落ち着いて頑張れる安心感がもてた」などの影響を与えられれば、社長挨拶は成功です。

「名言」「時代感」でレベルアップ

名言

さらにブラッシュアップした社長挨拶文を作りたい時に使える技も2つ、書いておきます。
「名言」「時代感」です。

ビジネスの世界では、これまでの多くの偉人がたくさんの名言を遺しています。例えば「商売とは感動を与えることである」(松下幸之助)、「やれるか、やれぬかではなく、誰がやるかなんだよ」(豊田喜一郎)など。

こうした名言を文の中に取り入れて、会社の方針や社長としての想いをその言葉に絡めて伝えられると、深く印象に残ります。
名言は今から探しても良いですが、普段自分の心に置いている言葉があれば、それを出すのが自然かなと思います。私も取材ではよく、社長さんの「座右の銘」をお聞きします。

もう1つ。「時代感」を入れると、今の時代のリアルな言葉として伝わっていく力が強くなります。
最近のスピーチだと、AIの台頭を話題として挙げる人が多いですよね。中には「今の社長挨拶文は、ChatGPTに書かせたものです…」なんて、スピーチを始める人も。

今の時代にふさわしい挨拶は、社長が自分で考え、自分の言葉で伝えようとしている「今だけのもの」という稀少感を新入社員に抱かせます。10年前に話しても変わらないような挨拶よりも、自分たちのために用意してくれたと感じられる挨拶の方が、聞いている方もやる気が出ますよね。

「耳から入る」ことを意識する

マイク

以上の構成とブラッシュアップのための2点を参考に、スピーチ原稿を作ってみてください。
最初はそれぞれのパート(導入/パート①/②/③/締め)に入れたいことを、箇条書きでOKなので書きだして、名言や時代感を、絡められる部分を探して絡めてみる。そのあとで、文章量を調整します。

スピーチ時間の長さは、あらかじめだいたい決まっていると思います。特に指定されなくても、人が集中できる時間を考えると、3~5分くらいが妥当かなと思います。
文章量は、1分300字と一般的には言われているので、3分程度なら原稿用紙2~3枚、5分程度なら4~5枚くらいを目安に書いてみると良いですよ。

はい、これで文章作れそうだね、と思われた方。最後にもう1つだけ、気を抜かずにやってほしいことがあります。それは「話すものだとして用意する」ということです。
サイトに文章として載せる社長挨拶と、入社式で新入社員に向けてする社長挨拶の一番大きく違うところ。それは「読む文章」か「聞く話」か、ということです。

今回用意するのはスピーチです。分数に合わせて文章を書き上げたら、以下の3点だけでも意識して、自分で修正してみてください。

修正ポイント

  • 一文をだらだらと長くしすぎない。
  • 並列で話す事柄は、先に数字を挙げる。(「今から大切なことを3つ言います」など)。
  • 結論を先に出す(「私は◎◎が大切と思っています。なぜなら~」など)。

私たちは文章を読む時、はじめに全体量を把握することができます。分からなかったら、読み返すこともできます。漢字は漢字として読め、見出しや段落で区切りもよく分かります。

ところが耳から入るとなると、もっと心許ない状況です。その不安定さをできるだけ安定させられるよう、短く、簡潔に、予測が立てやすいよう、文章を作り変えてみましょう。
そして実際に周りの方に聞いてもらって、理解ができたか確かめてから本番を迎えるのをお勧めします。

当日の原稿には、区切りに/(斜線)を書き込む、強調したいところはグルグルと丸で囲む、などし、さらに自分の目が見やすい字の大きさ、フォント、改行にするなどしておくと、より良いスピーチができますよ。
この辺りは、私もケーブルテレビ局でリポーターをしていた経験があるので、リアルなアドバイスです。読むことに対しての安心感をくれる原稿は、スピーチに余裕をもたらしてくれますよ。

それでは、入社式の社長挨拶、頑張って書いてみてください。
当日のスピーチが、新入社員の心にしっかりと刺さることを祈っています!

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インタビュー取材

会社に新入社員を迎える、その節目である入社式の社長挨拶は、社長ご自身で書かれるのが一番良いと思います。なのでそれを黙って応援したいですが、手伝ってほしいとご希望いただければ、言葉工房トムでもお力になれることがあります。もし必要でしたら、ご相談くださいね。通常は取材から文章制作まで、1週間ほど必要です。

入社式のスピーチ文に限らず、サイトに掲載する社長挨拶文実績紹介採用案内など、「聞く力」と「書く力」、そして中小企業診断士ならではの知識と分析が必要になる「インタビューライティング」は、言葉工房トムの最も得意とするところです。必要なときは、問合せフォームからいつでもご相談ください。中小企業様の「伝わる言葉づくり」を応援していきます!

今回のPOINT

  • 【導入/現在/未来/新入社員へ/締め】の5パーツで構成する
  • より良くするスパイスは「名言」と「時代感」
  • 「話す」ための原稿であることを意識する

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