【中小企業向け】社内報の書き方~手描きのA5サイズ1枚から、無理なく始めよう~

鉛筆とノートと会社員

「社内報に何を書けばいいのか分からない」「社内報の制作が重荷になっている」などの悩みはありませんか。

できるところを定番化して、社内外に向けて出せるものを周りの協力を得てサクサクと作る、これが価値をもって続けていくコツです。
A5サイズ片面でも、立派な社内報。書くべきことをきちんと整理して、まずはそこから始めてみませんか。

社内報って本当に必要?

悩む男女

今このコラムを読んでくださっているのは、「そろそろ社内報くらい作らねば」と思っている社長さんや「担当に任命されたぞ、困ったぞ」と思っているスタッフさんでしょうか。
作り続けている企業のあなたは、コストや時間に見合う社内報ができていますか。今から始める企業のあなたは、社内報が本当に必要だと感じられているでしょうか。

社内報の大切な目的は、スタッフに自社のことを良く知ってもらい、愛着を深め、モチベーションを高めてもらうことだと、私は考えています。読む人はもとより、制作に携わる人たちはさらに社内理解が深まり、幹部社員候補になる優秀なスタッフを育てる素地ともなります。

ただ、今の世の中で、社内報を悠長に作っていられる企業がどれだけあるでしょうか。中小でも製造業で従業員が多く、それぞれの仕事が分断されているような企業は作るべきかなと思いますが、総務部や広報部も無く、朝礼で皆が顔を合わせられるような「忙しいし人数も多くない」企業に社内報は要らないと思います。なのでまず「なんとなく必要かな」と思っていた程度でしたら、社内報制作は考え直してみてください。

もし作るとしたら「ニュースレターとの併用」をお勧めします。BtoCの企業は特にです。社内報とニュースレターの一番大きな違いは、読者に誰を想定しているかです。社内報は自社の従業員、ニュースレターはお客様です。でも目的はコミュニケーションであり、自社をより知ってもらい、好きになってもらうこと。広く捉えれば、社内報の延長だと言えなくもありません。ニュースレターを作る意識でいれば、お客様の目線も必ず考えることになり、自社をどう見せていくかの意識も育ちます。そして作ったニュースレターを、社内の従業員にも配れば良いのです。

ここまで読まれて分かりましたね? 今回のコラムは、より中身の濃い、素晴らしい社内報を作るためのものではありません。時間がない中で、いかにスムーズに、価値のある社内報、もといニュースレターを作るには?を知りたい方に、この先を読んでいただければと思います。

まずはこの3つを決めよう

この3つを決めよう

それではここからは、ニュースレターの形を取りながら、社内報的役割も果たせる紙面をどう作るかを書いていきます。ほらもう、1つ作るだけで2つの役割。一石二鳥です。社内報とニュースレターにそれぞれ1の労力をかける必要がなくなり、コスパ良しですね♪

ニュースレター兼社内報作りにおいて、もっとも重要なのがスタート時にきちんとした設計図を書くことです。はじめに、「ボリューム」「作り方(使用するツール)」「発行頻度」を決めましょう。

ボリュームについて

他社のいろんな社内報やニュースレターを参考にしながら、A4×4ページくらい?などと意見が出るかもしれませんが、「身の丈」を大切にしてください。高い理想は大切ですが、続けていけなくては意味がありません。もし、担当者が1人で、それも広報専任でない場合や、社長が時間を見つけて作るような場合は、A5サイズで片面でもOKです。まずは「存在させ、続けること」を考えて、そこがスタートだと思ってください。

作り方(使用するツール)について

最も一般的で多くの人が使えるツール「Word」で作っていくのが無難だと思います。Wordを使ったニュースレター(兼社内報)の作り方については、また後日のコラムで書きますね。ただ、企業によっては多くの人がExcelの方が使い慣れているのでしたら、Excelで良いと思います。関わる人たちが使い勝手を分かっていて、使いやすいことを一番に考えましょう。

最近はCanvaという無料で使える(有料プランあり)デザインツールも出ていて大変使いやすいです。社内で使える人がいれば、相談してみるのも良いでしょう。

発行頻度について

これも、どのくらいの時間を制作にかけられるかで決まってきます。月1回出せれば素晴らしいですが、月1回だと、担当の人は年中ニュースレターから離れられないくらいの意識だと思ってください。春、夏、秋、冬と3ヶ月に1度くらいが現実的かなと思います。あとはお客様の来店頻度や、自社商品の更新頻度、ニュースとして伝えたいものの量なども考え合わせて決めると良いでしょう。

構成について~常設枠で省エネしよう~

次に、どんな内容でニュースレター(兼社内報)を構成するかに入ります。①必須部分②メイン③常設枠の3つに分けて考えるとやりやすいです。今回は、一番気軽に出来そうなA5サイズ片面での制作を例にとって、考えていきましょう。

①必須部分とは

ニュースレター(兼社内報)を作る上で、必ず入れるべきことを入れる枠です。
上部には、ニュースレター(兼社内報)のタイトルや号数、発行年月、発行者(社名)などを入れます。
下部には、読者がもっと知りたいと思った時につながるものを入れます。住所や連絡先電話番号、メールアドレス、ホームページアドレスなど。QRコードに変換して掲載しても良いですし、定休日や営業時間まで入れておくのもありです。

②メインとは

タイトルの下にスペースを取る、いわゆる「トップ記事」の部分です。ここに魅力があれば、その先を読んでもらえる、一番力を入れたいところです。ここだけはある程度スペースを取って、何について書くのかを毎回メンバーで会議をして決めるなどしたいですね。A5片面の場合は、1つだけメイン枠を作ります。

③常設枠とは

②のメイン以外は、常設枠にします。何について書くか、決めておく枠です。テーマは決まっており、それに沿って記事を毎回用意していきます。A5片面の場合は、2つくらいあるのが良いでしょう。


時間を節約しながらも中身がちゃんとあるニュースレター(兼社内報)を作るには、③を何にするかが大切です。書く人を社内で順番に回せるとか、同じテーマでいくつもネタが用意できるとかいう「書きやすさ」と、ニュースレター(兼社内報)が書いて伝えたいことを満たしているかの「役割」を見たうえで、何にするかを決めましょう。

例えばスタッフ紹介コーナーにして、1つのお題に沿ってスタッフが順番に書いていく。書いてもらったものを、スペースに合わせて担当者が編集すればOKです。「この季節の私のおすすめアイテム」「この仕事の好きなところ」などをお題にすれば、企業のことを自然にポジティブに紹介でき、スタッフにも親しみをもってもらえます。

商品やサービスの魅力が分かりづらい事業の場合は、「今月のピックアップ商品」「難解用語解読!」「スタッフの目の付けどころ」などのコーナーにし、商品や事業への関心を高めてもらうのも◎ですね。

とにかくここは、書きやすく、事業にプラスになることをテーマに置いて、記事のもとになる文章をいろんな人に書いてもらいます。早めに依頼して早めに書いてもらい、時間のある時に編集作業(コーナー内でうまく伝わるように、見出しと文章を書く)をすれば、省エネができる場所となります。

②は、毎回のニュースレター(兼社内報)の「顔」となる大事な部分です。ネタとして旬であることや、新しいこと、季節に合うこと、などを意識しながらテーマを決め、作りましょう。
ここは自由度を高くしておきたいのですが、そうするほどに毎回ネタ探しに悩んでしまうという危険な場所でもあります。あまり悩みそうだったら、ここも「ワンテーマで書いていく」とバッサリ決めてしまうのも良し。慣れるまではそれで行っても良いと思います。

この①②③のレイアウトと内容決めをしっかり行えば、かなり作っていきやすくなります。あとはどこまでをどのスタッフに割りふり、どのようなスケジュールで行くかを定めれば、毎回1から悩むことなく、余計な時間を使わずに、各々が自分のペースで進めながら中身のあるニュースレター(兼社内報)ができるはずです。

ニュースレター制作例を紹介

A5サイズの手描きレター「cotonari便り」vol.1とvol.2

最後に、私のお客様の中からこちらのニュースレターを紹介します。
愛知県知立市にあり、発達障がい児の療育や子育てサポートを行っているcotonari様。「cotonari便り」というA5サイズの手描きレターを、隔月で発行しています。本当は事業所内で作りたかったのですがなかなか時間がとれず、言葉工房トムの「コトバタントウ」というサービスを利用いただいて私がサポートに入っています。

目的は「事業所のまわりの方々に、事業内容や発達障がい児のことを知っていただく」こと。各コーナーの話を各担当者さんにしていただいたり、絵が得意なメンバーさんに、文章にぴったりの絵を描いていただいたりと「一緒に作っている」感を大切にしています。

こちらもA5サイズで、始めにしっかりと構成を話し合いました。各号を見ていただくと分かりますが、「cocoroneな日々」「子育て応援」「お知らせ」と、同じ3つのコーナーで構成してあります。
②のメインにあたるのが「cocoroneな日々」であり、ここもはじめからテーマが決めてあります。各テーマについて何を載せるかを、担当の方に考えておいていただき、私が取材して文章にまとめるという形です。

取材して、この手描きA5レターが出来上がるまでが、だいたい3時間です。私がここでやっている部分が、皆さん(編集を担当される方)のお仕事となるわけです。このくらいなら、あまり時間をかけなくてもできるな、というイメージがつきませんか。

【PR】出だしだけサポートが欲しい…そんな時はご相談を

前述したように、ニュースレター(兼社内報)を始めるときやリニューアルされるときは、はじめの設計図作りが本当に大切です。特に、目的に合わせながらも負担を軽くして、書き続けていけるように、どんな内容で構成するかを考えることが最重要事項。それを決めて、制作を軌道にのせるまでが一番難しいところです。そこだけプロのサポートを借りたいな、と思ったら、どうぞご相談ください。

言葉工房トムでは、お客様の状況に合わせ、制作からサポートまで対応いたします。

  • 定期訪問サービス「コトバタントウ」案内はこちら
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今回のPOINT

  • 小さな企業はニュースレターで社内報を兼ねるべし
  • 常設枠を作って省エネ化しよう
  • A5・片面から始めればOK!「身の丈」を大切に

言葉工房トムは、きちんと「伝わる」言葉で訴求力の高いPRツールを制作します。
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