【中小企業向け】周年挨拶文って何を書けばいいの?~起業、創業、設立、創立記念文章の内容・構成・効率的な作り方とは(実例付)~
毎年訪れる企業の周年記念日に、あなたの会社は誰かにメッセージを届けていますか。周年記念日の挨拶だからこそ、果たせる役割があります。
今回は、周年記念日に届けるべきメッセージの内容や用意の仕方について、インタビューライターの視点で書いていきます。
「記念日の挨拶」はナチュラル営業の最強ツール
創業記念日をはじめとして、何らかの記念日に届ける挨拶文ほど強い営業ツールは、なかなかありません。その最たる理由は
「いやらしくなく、自然に営業(勝手に「ナチュラル営業」と名付けました(笑))ができる」
ことです。
インタビューライターである私は、普段から社長挨拶文や企業ブログの記事などを、インタビュー取材してまとめる、という仕事が多いのですが、いかにして「売りたい」が前面に出すぎないようにするかは、細心の注意を払います。
企業の存続にとって、売上を上げること、利益を生むことがとても重要なのは言わずもがな。しかし最初から買い手にその気持ちがはっきり見えてしまえば、興ざめされてしまいます。
その点、「記念日の挨拶」はナチュラルに営業ができる、最強ツールだと思うんですよね。
それは、挨拶の内容として適切なことが、営業的に伝えるべきこととしっかり重なるためです。
挨拶文を構成すべき5つのパーツ
それでは、挨拶文の内容をどんなパーツで構成すべきかを見ていきましょう。私が書く時には、以下の5つでの構成を考えます。
周年挨拶文の構成
①感謝
ここまで来れたことへの感謝(特に苦しい時の助けや、背中を押してもらったことなど)
②想い
こんな企業にしたいと思ってやってきた/こんな社会にしたいと思ってやってきた/こんな風にお客様に喜んでもらいたいと考えてやってきた など
③実績
従業員が・売上が・利益が●年間で●倍になった
「小さな事務所から始まり、今では…」 など
数字で対比して、成長が感じられるものが良い
④近況
こんな商品を開発した/こんなサービスができた/新しく〇〇プロジェクトを始めた/こんな商品・サービスが喜ばれている など
周年挨拶を毎年出しているとしたらこの1年、久しぶりに出すとしたら、ここ数年くらいの振り返り。
⑤未来
こんな世の中になるように事業で貢献していきたい/社会の中でこんなポジションを目指す/●年後には●●という目標をもって など
順番は①~⑤の順に並べるのが妥当だと思いますが、絶対ではありません。自分で流れを見直した時に、入れ替えた方が良いなと思ったら、アレンジしてみてください。
そうそう、挨拶文にはこれを忘れずに。
- 創業日(〇年〇月〇日)
- 何周年か
挨拶文を「株式会社〇〇は、〇〇年〇月〇日で、創業〇周年を迎えました。」から始めれば、導入としてもスマートです。
周年挨拶文は「共感」「信頼」「アクション」を呼べる
上記の5つを入れ込んで挨拶文を作ると、読んだ人の「共感」「信頼」「アクション」の3つを得ることができます。
それぞれがどのパーツから得られるものなのか、1つずつ見ていきましょう。
共感を呼ぶのは「①感謝」「②想い」
この2パーツが「こんな想いをもって頑張ってきた企業(あなた)だからこそ、応援したい」と思ってもらう役割を果たします。事業の根幹に流れる想いをしっかりと言葉にしましょう。
信頼を得るのは「③実績」
「きちんと歩みを進めてきた」「企業として社会に必要とされてきた」という信頼は、実績部分で勝ち取ります。数字は噓をつきません。これまでを物語る数字が信頼を呼び、未来への期待になっていきます。
今後のアクションにつなげるのは「④近況」「⑤未来」
現在、何をして、どんなことに力を入れているのか。それをどんな未来につなげていくのか。それが読み取れると、読む人も次のアクションを起こしやすいですよね。
例えば…
「こんな新商品/サービスができたなら、一度利用してみようかな」
「この事業は、うちの事業とコラボできるんじゃないかな」
「未来への志向が似ているから、一緒にできることがあるんじゃないかな」
このように具体的なアクションがイメージできるわけです。
私は、周年挨拶文の中で一番大切なのは④近況だと思っています。「今」、どんな想いや姿勢で、具体的にどんな動きをしているのかを伝えられるからです。
「今」が分かるからこそ、この先どう関われるかを読んだ人に考えさせることができます。
この「改めて伝えたい今」は、意外と伝えるタイミングが難しいんですよね。日常会話の中で伝えてもサラッと流れてしまうし、かといって改まって書いたり話したりすると「売りたいんだな」という雰囲気が出て嫌がられるなど…。
それが「書くことが、むしろ自然であり適切」と感じられ、素直に読んでもらえるのが「周年挨拶」。利用しない手はないですよね。
スムーズな取り組み方は、まずブログ、次にDM
さて、この挨拶文ですが、どこに書いて誰に届けますか。
まず、一番届けるべき相手は「既存のお客様」でしょう。
「これから先、お客様になってくれるかもしれない人たち」や、少し方向を変えると「従業員やその家族」にも、届けたいですよね。
また、どうやって届けるかもいろんなやり方があります。
できるだけ負担を減らしつつ、でも効果を最大限得られる取組み方として「まずブログ記事として書き、そこからDMをつくる」という手順をお勧めします。
先ほど書いてきた①~⑤のパーツを参考に、まずブログ記事を1本書いてみましょう。タイトルは「創業〇周年、ありがとうございます」などで良いと思います。
ブログ記事なので、2000~3000文字あっても読んでもらえます。各パーツで書きたいことを箇条書きにピックアップして、文章を作っていきます。
ブログ記事は誰でも読めるので、まだ見ぬ未来のお客さんに、会社の歴史や想いを伝える役割も果たしてくれます。
次にその文章をもとに、DMはがきを作ります。
文章だけのDMは読む気がしないでしょうから、多くても500字くらいでしょうか。会社のロゴや、従業員の集合写真、社長の顔写真なども入れてデザインしたいところです。
この順で作るのは、文章は長く書いたものをもとに短いものを用意する方が、書きやすいからです。
ブログ記事だけで終わらず、DMも作ると良いのは、何故だと思いますか?
一番伝えたい既存客に確実に届くからです。
皆に向けてのブログでは難しいですが、DMなら、それぞれの方に向けて、ひと言メッセージを加えることもでき、より気持ちが伝わります。
ただし、住所が分からないと送れないので、その場合はお店のレジに置いて、会計した商品と一緒に入れるとか、営業マンに何か記念品とともに渡してもらうとかが必要かもしれませんね。
私も今まで、周年記念で何度かDMを作り、送っています。画像を載せておきますので、参考になるところがあれば取り入れてみてくださいね。画像をクリックすると大きくなります。
創業7周年。一番オーソドックスな形なので、取り入れやすいのでは。左側に写真と肩書、名前。右側に挨拶文。表面に事業内容のPRを入れた。
創業10周年。お洒落なポストカードが届いた、というようなイメージを目指して少し詩人風に。表面に短く事業案内とひと言メッセージコーナー。手書きでメッセージを添えて送った。
創業12周年。「干支ひと回り」という切り口で、創業時から見守っていただいた感謝を一番に。下半分に近況としてPRを。表面は事業案内、顔写真、ひと言メッセージ。こちらも手書きでメッセージを入れた。
【PR】自分で書けない…その時はご相談を
今回は、周年挨拶文の書き方、特に創業記念日を想定して書いてきました。
毎年書けると良いのですが、私自身もなかなか時間が取れず、何年かに1度のペースで出しています。それでも出すとやはり、何通かはお返事がいただけたり、お仕事の依頼につながったりもしているので、皆さんもぜひ書いてみてくださいね。
もし、時間が無くて書けない、うまく書けなくて困った、というようなことがあれば、ご相談ください。言葉工房トムで、インタビュー取材&挨拶文制作をさせていただきます。
また、DMデザインまでして納品することもできますので、上記のようなDMはがきが作りたい!というご相談もどうぞ。
今回のPOINT
- 周年挨拶文はナチュラル営業の最強ツール
- 感謝・想い・実績・近況・未来の5パーツ構成が基本
- ブログ記事をもとにDMも作るのが良い
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