【中小企業向け】プレスリリースの書き方~地域メディア出身ライターのリアルな視点から~

地域メディア出身ライターが考える、取材につながるプレスリリースの書き方

自社の事業や新商品、新サービスのPRなどのために「プレスリリース」を書いたことはありますか? 書いたことがないと、ややハードルが高い気がしてしまいがちなプレスリリース。メディアに知ってもらい、取材を促せる大事なPR手段です。今回は、地域メディアでの勤務経験があり、プレスリリースを受け取る側だった筆者が、その経験も踏まえながら、取材につながるプレスリリースの書き方をお伝えします。

プレスリリースって何のために書くの?

「プレスリリース」、書いたことありますか? 私は長らく地域メディアにいたので、プレスリリースを受け取る側でした。「プレス(報道機関)」に向けて、「リリース(発表・公開)」する。広く回りに知ってほしい情報がある時に、それをメディアに向けて書いて送る、それが「プレスリリース」です。情報を伝えることが主な役目ですが、工夫のしどころは色々とあります。

まず前提として、プレスリリースは大切で、力を入れる価値のあるものだということを書いておきますね。今、SNSが十分に発達し、自分でも直接情報発信ができるようになりました。それだけに、とても多くの情報がある中で、あなたの発信する情報にたどり着いてもらうには、なかなか大変です。発信はできても、受け取ってもらえなければ価値は0に近いですよね。


その点、メディアは強いです。テレビでもラジオでも新聞でも雑誌でも、そこにはすでに視聴者、読者がいます。自分発信と一番違うのは、メディアで紹介されるという「信頼性」「話題性」が、客観的に添えられるということです。


自分が消費者として、情報を得る時のことを考えてみてください。「テレビで紹介されていたお店に行ってみる」「新聞で読んだイベントに行ってみる」、そう考えられるのは、そこに信頼性と話題性があるからこそ。今の時代のメディアの価値は、あふれる情報の中で「案内役を担える」ことだと思います。その案内役に「こんなものがありますよ」と自らお知らせできるのが、プレスリリース。書いてみない手はありません。

取材につながるプレスリリースの書き方

取材につながるプレスリリースの書き方

さて、プレスリリースを書いてみるとします。書き方について、結論から言ってしまえば、こう書かねばならないという決まりはありません。目的は、メディアの人に、いいタイミングで伝えるべき情報を伝えること。それが記事として掲載されるわけではないので、完成度は気にしなくて大丈夫。逆に出来を気にして、タイミングを逃す方がよほど残念です。

ただ、メディアの人間は、普段から忙しい人がほとんどです。情報はいつでも心待ちにしていますが、すべてのプレスリリースを最後まで読めるほど時間がないのもまた事実。私自身もケーブルテレビ局の番組制作や、地域の女性向けフリーペーパーの制作として多くのプレスリリースを受け取る立場だったので、その経験も踏まえて「ここに気を付けると、取材につながりやすい」というポイントを以下で挙げてみます。

Point1:記者が読み慣れている流れで書く

記者が読み慣れている流れで書く
このような構成が一般的です(筆者手描きレイアウト)

記者が読み慣れている流れで書くと、記者も情報を読み取りやすく、忙しい中でも情報が頭の中まで届きます。以下のような流れが一般的だと思います。
日付、宛名、「〇〇について」というようなタイトル、タイトルについての簡単な要約(リード文と言います)、細かな内容(本文や関連する写真)、イベントなどの時は日時などデータ的なもの、問い合わせ先。

プレスリリースの構成を3つに分けるとすると、はじめの3分の1で、何についてかがザックリと分かる→次の3分の1で具体的な内容が分かる→最後の3分の1で、どう動けばいいか(日時や問合せなど)が分かる。そんなバランスにすれば、スムーズに読んでもらえるはずです。

Point2:何が「ニュース」なのか分かるタイトルをつける

何がニュースなのか分かるタイトルをつける

メディアはいつでも、「新しいこと」を探しています。それを伝えるのが、メディアの役割として大きな部分だからです。私自身はずっと地域メディアで仕事をしてきたので、地域の皆さんに、そこで暮らす中でより楽しくなったり役に立ったりする暮らしの情報や人の活躍などを届けてきました。まだ十分に知られていない「News」を見つけ、伝えるために、送られてくるプレスリリースは大事な情報源でした。

忙しい中なので、まずはタイトルを見てそこから先をじっくり読みたいかの判断をします。となると、タイトルに「おっ!」と思わせる何かが入っていることがとても大切。そこで「新しい」と感じてもらえると強いです。お店のニューオープンとか、新メニューの開発とか、はっきり分かる新しさがあるのは稀でしょう。そうでなくても、「これまでと違うサービスの提供先を考えた」とか「毎年のイベントでもここが変わった」とかあれば、そこを大きく伝えれば良いのです。

ただ「なんと!」「ついに!」「~もの」など、やたら強調する言葉でタイトルを飾るのは、やめておくのが無難です。それは第三者がつけるべき強調で、自分でつけてしまうと稚拙で嘘くさい感じが出てしまいます。

Point3:メディアのテーマに合った注目点を書く

メディアのテーマに合った注目点を書く

これはけっこう見落としがちだと思いますが、重要なことです。プレスリリースを書く時に、あなたは送り先がどんなメディアなのか、よく観察してから送っていますか。

例えば、新しく技術開発をして、体に不自由のある人が使える何かを作ったとして、それを自社で販売していくことにした、とします(ざっくり設定ですみません)。どこのメディアにも一律に「こんな素敵なのできましたよ」と、同じ文面で送るとしたら、70点です。(それでも、送るだけで70点。タイミングよく新しさが伝わるだけで70点です。まずは送りましょう)。

福祉系のメディアには「皆さんの不自由さを解消するものができました」(暮らしがどう変わるかに注目)
技術系のメディアには「こんな新しい技術によって商品を開発しました」(技術に注目)
経済系のメディアには「この分野の業界地図をこんな風に変えそうな商品です」(ビジネスとしてのインパクト)
地域系のメディアには「商品開発で地域貢献」「お店で体験会を実施」(地域の人のための身近な話題)
こんな感じで、それぞれのメディアに合わせたテーマで送れたら、もう30点上乗せです。

メディアにはそれぞれ、担っている役割があります。テーマをもって、その番組なり、誌面なりを作っています。そこに合う話題が撮れそうだな、書けそうだなと思えば、取材しようと思います。その「切り口」(どのような話題として扱うか)を考えることこそが、記者の腕の見せ所でもあるわけですが、そのヒントになるようなタイトルまで用意してあげられたら、記者も「ピン!」と来やすいですよね。

Point4:長すぎず、短すぎず

紙で出すならA4サイズ1枚程度が一番読みやすく、ちょうど良いサイズ感です。今はメールにPDF添付などで送り、先方がプリントアウトする形が主流でしょうが、FAXが主流だった私の頃は、何枚も何枚もペラペラと送られてきて、そのわりに内容がまとまっていないプレスリリースには閉口したものです。

記者は基本的に忙しくて時間がない、そう思ってください。そして好奇心旺盛な人達ですから、サラッと読んだ1次情報(プレスリリース)にアンテナが反応すれば、その先はQRコードやHPアドレスなどを書いておけば進んで読んでくれますし、知りたいことがあれば電話やメールをくれます。「プレスリリースで、思いのたけや情報をすべて伝え切らなければならない」などと思い、大作にしすぎないこと。そこまで丁寧に読んでいる時間はないので、「めんどくさい」と思われてしまいかねません。

逆に、短すぎて「で、何なの?」と分からないままゴミ箱へ行ってしまう情報もかわいそうです。最低限「伝えたいことが伝わるだけの情報が書き込まれているか」、送る前に周りの人に確認すると良いと思います。

Point5:取材へのアクションがとりやすい

そして最後に、意外と抜けがちなのがここ。プレスリリースを読んで記者がリアクションを取りたいと思った時に「どこに連絡を取れば良いのか分からない」「主催者、担当者が誰なのか分からない」ということも、わりとあります。問合せの電話やメール、主催者や担当者などはきちんと記載を。

また定休日や営業時間の関係で、問い合わせに対応できないこともある場合は、それも分かるように書いた方が良いでしょう。私自身が仕事をしていたケーブルテレビのニュースも、フリーペーパーも「毎週」出していました。となると、「今日のうちに連絡がとれなかったらアウト」というケースもよくあって、「取材したかったのに残念だな」と、次の取材先を探すようなことも。そのあたりでもったいないことにならないように、できる気づかいはちゃんとしておきましょう。

すぐに返事がなくても出し続けるべし

すぐに返事がなくても出し続けるべし

以上、取材につながるプレスリリースの書き方について書いてきました。メディアにお知らせしたいことができた時には、ぜひ上記のポイントを参考にしながら書いて出してみてくださいね。もし、1度出して何の返事もなくても、そこでへこたれないこと。メディアからしてみたら、返事をしないものの方が多いので、気にする必要はありません。

そして返事をしなくても、記者は意外と目を通していたりするものです。「今すぐには取材できないけど、これにふさわしいテーマで特集をするときには、声をかけさせていただこう」なんて、プレスリリースをきちんとファイルに収めておいたりも。ですので、まずはいろんな話題があるごとに「出すべし」です。どこにチャンスがあるか分かりませんし、取材に来てもらえたらラッキーぐらいの気持ちで、出していきましょう。

記者も、同じ企業や人からプレスリリースを受ける回数が増えてくると、だんだん存在を認識し、「このことについては、この人に訊けば良さそう」などと思うようになります。そしていつか取材が来るときも、プレスリリースを通して理解が深まっているので、良い関係で進みやすいですよ。

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プレスリリースを自分で書けない時は
ケーブルテレビ局で働いていた20代の頃の筆者です

とにかく「お知らせする」、その想いでどんどん書いていただきたいプレスリリース。けれどもやはり「これでうまく伝わるのか分からない」「書いている暇がない」など困る方もいるでしょう。そんな時は、言葉工房トムにご相談を。作成代行もできますし、隣で作成のお手伝いという形でも、関わらせていただけますよ。

特に「どのメディアに、どういう切り口で出せばよいか分からない」という時は、プロのライターが役に立ちます。言葉工房トムは、ブランディングからご一緒できますし、地域メディアでの経験もありますので、そのあたりのご相談もお気軽にどうぞ。

今回のPOINT

  • 忙しい記者の身になれば、どんなプレスリリースが良いか分かってくる
  • 相手のメディアが、どんな情報を探しているのか考えよう
  • 1度で終わらず、記者との関係づくりのつもりで、いろんなネタで根気よく出そう

言葉工房トムは、きちんと「伝わる」言葉で訴求力の高いPRツールを制作します。
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