【中小企業向け】ブランディングとは?を分かりやすく説明します
どこぞのコンサルタントさんに言われたことはないですか?「販促にはブランディングが大切です!」。ブランディングってよく使われる言葉ですが、皆さんピンと来ているでしょうか。
私自身「ブランディングライター」と名乗っていますが、ブランディングが何なのかを完璧に説明できるかと言えば、少々自信がありません。説明する人によっても、捉え方が少しずつずれているように感じます。でも、商売にブランディングが大切なのは間違いありません。
そこで今回は、言葉工房トム的視点で、「ブランディング」をできるだけ分かりやすく、理解しやすいように説明してみます。
ブランディングが成功すると、どんな効果があるの?
まずはブランディングが成功すると、どんなことが起こるのか、それを書きますね。
例えば
・あなたがパン屋さんなら「いちごのロングパンなら、パンハウス●●だよね」と言われるようになる。
・あなたがネジ屋さんなら「このネジの製造なら、●●ネジ製造に相談してみよう」となる。
・あなたが出張メイク講師なら「家から出られないなら、●●さんに訊いてみるといいよ」と友達がアドバイスをするようになる。
こんな具合です。
「●●」について、知りたい・買いたい・相談したい。
それならあなたのお店・会社が良いなって、ピンときてもらえる。
それをまちの多くの人が知っていて、知らない人には好意的に伝えてくれる。
ブランディングに成功すると、そんなことが起こります。
あなたの商品やサービス、事業のことを、(一部だとしても)まちの人たちがイメージできて、頼ってくれたり、他の人に紹介してくれたりするなんて、幸せなことですよね。
もちろん、商売にも大きな力になってくれます。
ブランディングって、つまりは何?
ブランド(Brand)にingをつけて、ブランディングです。ブランドという言葉にingがついていることが、そもそもこの言葉の意味をイメージしづらくさせている気がします。
ブランドというと、エルメスやグッチなどの高級ブランド品を、つい頭に思い描いてしまいませんか?ブランディングという言葉を聞いて、「高額商品を作るべき?」「高級路線に進むべき?」だなんて思わされていないでしょうか。違います、違います!
ブランディングは「お客様に『~だから、好き!』と言ってもらえる、他との違いを作ること」だと思ってください。単価が高いか安いかは関係ないです。ただ結果としては、その商品なりサービスなりに愛着をもっていただけるので、客単価が上がったり、継続利用がスムーズにいったりするなどの効果はあります。
私は、一番短く簡単にブランディングを言葉にするとき「ブランディングとは、トンガリを作ること」だと言っています。あなただけのとんがりを作ること、それがブランディングです。
ブランディングは3ステップ
では、その「トンガリ」は、どうやって作っていったら良いのでしょうか。以下の3ステップだと考えていただくと、分かりやすいのではと思います。
ブランディングの3ステップ
- ブランディングの1歩目は…トンガリを見つける
- ブランディングの2歩目は…トンガリを磨く
- ブランディングの3歩目は…トンガリを見えるようにする
まずは「見つける」です。
あなたの商品、サービス、事業をよく見て、「トンガリ」になれそうな特長を探します。ポイントは「他社と違うこと」×「自社が得意であること/大切にしていること」。この両方に当てはまる特長を、とんがりに育てていきましょう。
ここでは【野菜を加工したスイーツ】を、例として考えてみましょう。
野菜の生産地・栽培方法・原材料・加工方法・スイーツの味・見た目・珍しさ・パッケージなど、特徴はいろいろとありますよね。その中でとんがりに育ちそうな種は、どれでしょうか。1つに絞らなくても、2つ3つの掛け合わせでもOKです。
ただ、「価格が安い」という特徴を選ぶことだけは、あまりお勧めしません。それを自社のとんがりにしてしまうと、そこを目指したお客様が定着してしまうため、いつまでも価格競争から抜け出せずに苦しい経営を続けることにつながりやすいからです。
次に2歩目。「磨く」について。
見つけた特徴を、「魅力」として磨いていきます。つららのようなとんがりを、紙やすりのようなもので(氷を紙やすりでは磨きませんが(笑))、よりツルツル・ピカピカに、鋭いトンガリに仕上げるようなイメージです。
「磨く」には、どうしたら良いでしょうか。社内で話し合って、その特徴についてどんどん掘り下げていくという作業をします。たくさんの言葉を使って表現してみてください。例えば、先ほどの野菜スイーツで、トマトの甘みを生かしたゼリーをブランディングするとします。
トマトの甘みを生かしたスイーツをブランディングすると決める
↓
その特徴を皆で出し合う(〇〇産、酸味と甘みがマッチ、真っ赤な色合い、コロンと可愛らしい形…)
↓
たくさん出したら、今度は一番伝えるべき特長に絞る(例えば、コロンと可愛らしい形)
↓
しぼった特長について、さらに多くの言葉で表現してみる(ひと口サイズ、食べるルビー、ちいさな幸せ、指輪のような、天使の贈り物などなど…)
ブランディングの対象を少しずつ狭め、狭めたものに対して言葉を広げ…ということをしていきます。
するとほら、少しずつトンガリが鋭くなっていきませんか。
そして3歩目。「見えるようにする」です。
2歩目までで、社内で関わってきた人にとっては、とんがりの姿はかなりはっきりと見えてきたはずです。しかしここで盛り上がっていても、周りに伝わらなければ何もないのと同じです。
まずは社内のメンバー、そしてメディア、一般の人へと、「見える化」していかねばなりません。ここで力を発揮するのが、PRのチカラです。私たちクリエイターが役に立つ部分でもあります。
磨いたトンガリと、周りの人をつなぐために、商品やサービスの名前、キャッチコピー、メインカラー、パッケージ、販売ルート、販促ツールなどを作りこんでいきます。ここは予算によってどこまでやるかが全然違ってくると思います。できればクリエイターの力を借りられれば良いですが、難しい場合は自社で出来る限りの発信をしてください。
特に商品やサービスのネーミングやキャッチコピーは、PRの背骨となる重要な部分です。トンガリを、どんな言葉で表せば、求めている人に出会えて、心を動かして、購入・利用してもらえるのか。ここは時間をしっかりかけて、深く考えて作っていきましょう。
「トンガリ」は小さくてもオンリーワンで!
いかがでしょうか? 絵でも描いてみましたが、「ブランディングとは、トンガリを作ること」という意味が何とか伝わったでしょうか。
トンガリは、大きいほど周りからは良く見えます。でも、地域の中小企業にとって大きなトンガリをつくるのは、たやすいことではありません。大きくなくてよいので「オンリーワン」であることを目指しましょう。
例えば「地域最大規模」のお店であると名乗れるのは、ごく一部の企業だけです。でも「●●という商品ならここ」「●●においてはここが技術が一番」「●●という悩みに答えてくれるのはここ」というように、細いけどキラリと光るトンガリを見つけて育てることが、中小企業にとっては大切なことだと思います。
しっかりと根のある「トンガリ」を
そして最後に。
せっかくトンガリを育てるなら、しっかりと根を張って、これぞウチの事業です!と胸を張って言えるようなものを、トンガリとして育てていただければと思います。
時流に乗ることも大切です。人は流行に左右されやすいので、上手に乗るのは商売上手の証でもあります。でも、その根っこには「この事業で世の中に役立っていく」という太い思いが通っているべきだと思うのです。
以前高級食パンが流行っていた頃に取材した、地域に根差したパン屋のご主人がおっしゃった言葉を、私は忘れられません。「食パンというのは、毎朝食卓にのるものだから、それに合うものでありたい。(高級食パンで主流だった)生クリームをたくさん入れるよりもサクッと軽く食べられるものにしたいし、価格を上げることもしたくない」。
「毎日食べる食パンを提供するお店」としての一本筋の通った姿はとても印象深く、「日常の中にあるパン屋さん」として、お客さんに愛されていることが想像できました。
ブランディングを考える時には、それが自身の商売の背骨としっかりつながっているかを考えたうえで、進めていただくのが一番良い。それが言葉工房トムとしての「ブランディング」についての考え方です。あなたの「トンガリ」、大切に磨いて育ててくださいね。
【PR】ブランディングライターと一緒に進めませんか
ブランディング=トンガリを「見つけて」「磨いて」「見えるようにする」ことは、時間もかかりますし、何よりじっくり考えないとできません。なかなか社内だけでは難しいという場合は、言葉工房トムをお仲間に入れていただけませんか。先述した「見えるようにする」だけでなく、「見つける」からでも力になれます。
特に知多半島でブランディングを考えている企業様には、毎月定期的に訪問するサービス「コトバタントウ」がお勧め。コトバタントウは、外部のPR担当とでも考えていただければ幸いです。
じっくりと事業のお話をお聞きしながら、ブランディングからそれに合わせたPRツールの制作・制作サポートまで対応していますので、良かったらいつでもご相談くださいね。 コトバタントウの案内ページはこちら
今回のPOINT
- ブランディングとは、自分だけのトンガリをつくること(言葉工房トムでの定義)
- ブランディングの3ステップは ①見つける ②磨く ③見えるようにする
- オンリーワンのちいさなトンガリを大切に育てよう
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