【中小企業向け】ChatGPTに文章書かせてラクしたい!何が得意で何が苦手? 良きパートナーとして付き合うには?

ChatGPT

文章を書くのって、面倒ですよね。できれば誰かに書いてもらってラクしたいですよね。これまでその「誰か」の役目を果たしていた私のようなインタビューライターにとって、ChatGPTをはじめとした文章作成が得意な生成AIの登場は、かなりの脅威です。

でも2024年の今はまだ、プロのライターの方が断然優れている点が多々あると、私は思っています。私が今18歳で、職業にライターを選ぶかと言われたら、将来が不安で選択肢から外すかもと思いますが。40代の私が仕事をしたい間くらいは、たぶん大丈夫。

そんなわけで今回は、私がそう感じる所以にもなっている、ChatGPTが得意そうなこと苦手そうなことを切り分けて紹介。上手な付き合い方の提案をします。

少数精鋭で皆さん忙しい中小企業。文章を書くことが得意な人ばかりではありません。だからこそ、ラクできるところはラクをして、仕事の効率と精度を上げていきましょう。

そもそも、生成AIって?

ChatGPT

“生成AI(Generative AI)は、人工知能(AI)の一種であり、主にデータやパターンから新しい情報やアウトプットを生成する能力を指します”

引用元:ChatGPT

こちらの文章は、さっそくChatGPTに書いてもらいました。ではそのChatGPTさん自身は、どんな生成AIなの?

“ChatGPTは、生成AIの一種であり、自然言語処理(NLP)に特化したモデルです。具体的には、大規模なテキストデータセットから学習された言語モデルであり、与えられたテキストの文脈や意図を理解し、適切な応答を生成する能力を持っています。

ChatGPTは、会話のフローを理解し、それに基づいて自然な形で応答を生成することができます。そのため、カジュアルな会話や質問に対応するだけでなく、情報の要約、文書の生成、さらにはクリエイティブなテキストの作成など幅広い用途に活用されています“

引用元:ChatGPT

だそうですよ、皆さん。文章に関することなら、オールマイティーに何でもやってくれそうですね。
ポイントは、生成AIの説明にあったように、今あるデータやパターンからアウトプットを作り出す、というところです。そのやり方が向いているものは得意だし、そうでないものはちょっと…。

では、得意なものをまず、挙げていきましょう。

議事録や要約の作成、定型文づくりは得意

話をまとめる

会議の議事録作成長い文章の要約あたりは、ChatGPTが得意とするところだろうと思います。

入って来る情報の中から、大切なものが何かという勘所をつかみ、まとめ直す。ネット上にある膨大なデータの中から、適切な言葉のつながり方を探って、そこから導くんでしょうね。
脳みそに入っている情報量が、人間とは全く違います。そしてそれが正しいか正しくないかという判断を、多数決的に行っていくようなイメージですよね。
不思議なようですが、それでほぼ正しい文脈が導けて、上手にまとまるんですから、面白いですよね。

また、メールの定型文などもお得意。
こちらは私たちも書けないわけではないですが、やってくれれば楽ですよね。
「謝罪文も作れる」というような話を読んでいると、そんな文まで機械任せか!世の中それでいいのか!と言いたくなったりもしますが、一方で失礼や不足があってはいけないものだからこそ、きちんとした定番の文章が作れるというのはその辺の人間よりも頼りになりますよね。

PRに関連するところでいくと、プレスリリースの制作などは、得意なんじゃないでしょうか。
プレスリリースは、事実をより早く正しく伝えて、主にメディアに興味をもってもらうことが大切なもの。

「こんなことについてプレスリリースを出したい」
「文章を書いて。そのために必要な質問をして」

という具合に進めていけば、自分で書くより簡潔に早く仕上がります。その分、今まで書いて出すのに重い腰が上がらなかった人が、頻繁にサクサクと出せるように。これぞ、生成AIとの上手な付き合い方ですよね。

SNSのネタ出しや文章は任せても良いかも

ネタ切れ

また、SNSでのネタ出し~発信は、ChatGPTに任せても良さそうなことの1つ。
SNSでの発信は多くの企業にとっての課題であり、継続が難しいと悩んでいる企業も多いでしょうが、そんな時こそChatGPT。

ネタ出しもしてくれますし、テーマに合わせて記事も書いてくれます。これは実際のやり取りを見てもらった方が分かりやすいと思いますので、載せますね。エステサロンのオーナーだと仮定して、ネタ出しと記事作成をしてもらいました。

私はエステサロンのオーナーです。SNSにどんなネタで投稿をしていけばよいか悩んでいますが、エステサロンのネタとしてお勧めのものを5つ挙げてください。

エステサロンのSNS投稿にお勧めのネタを以下に挙げますね。

  1. 施術のビフォーアフター写真や動画:
    o 実際の施術前後の変化を示す写真や動画を投稿することで、施術の効果や満足度を訴求します。特に目に見える変化があるフェイシャルやボディトリートメントなどが効果的です。
  2. 顧客の体験談や感想:
    o 実際に施術を受けたお客様の感想や体験談を投稿することで、リアルな満足度や効果を伝えます。顧客の写真やインタビューも合わせて使用すると、信憑性が増します。

ネタ3~5も読む方はこちらをクリック

  1. スタッフ紹介や背景:
    o スタッフのプロフィールや経歴、専門性を紹介することで、施術の信頼性やサービスの質を訴求します。スタッフの日常やトレーニング風景なども投稿すると、親近感が生まれます。
  2. 季節やイベントに合わせた特別メニューの紹介:
    o 季節ごとの特別メニューや限定キャンペーンを紹介し、顧客の興味を引きます。例えば、夏には日焼け後のスキンケア、冬には乾燥肌対策などを提案します。
  3. 美容や健康に関する情報提供:
    o エステティックに関連する美容や健康に関する情報を定期的に発信します。例えば、食事と肌の関係性、ストレス管理の重要性、正しいスキンケア方法など、顧客の関心を引く情報を提供します。
    これらのアイデアは、顧客の関心を引き、サロンのプロフェッショナリズムや成果を訴求するのに役立ちます。定期的にバラエティ豊かに投稿することで、SNSのフォロワーの関心を維持し、新規顧客の獲得にもつなげることができます。

今、挙げてくれたネタをもとに、インスタに投稿する記事を5本書いてくれますか。それに合う画像も撮影するので、どんな写真を撮れば良いかのアドバイスもそれぞれお願いします。

もちろんです。以下にエステサロンのインスタ投稿記事とそれに合う画像のアドバイスを挙げますね。

投稿1: ビフォーアフター写真と施術の説明
キャプション: ✨✨ ビフォーアフター! ✨✨ 最近、当サロンで人気の〇〇施術の効果がこちら!左が施術前、右が施術後のお客様のお肌です。肌のハリと透明感が一目瞭然ですね。詳細はストーリーでチェック!
写真のアドバイス:
• 施術前後のビフォーアフター写真を撮影。
• 明るい照明の下で、肌の質感がよくわかるように撮影する。
• 顧客の個人情報を守るため、顔の一部をカットして写真を撮影するか、顧客の了解を得て公開する。

投稿記事例2~5も読む方はこちらをクリック

投稿2: お客様の体験談と写真
キャプション: 🌟お客様の声🌟 最近、ご来店いただいた〇〇様から素敵なお言葉をいただきました!〇〇施術でリラックス&美肌効果を実感していただけて嬉しいです☺️詳細はプロフィールのリンクから!
写真のアドバイス:
• お客様の許可を得て、笑顔で写真を撮影する。
• 施術後のリラックスした様子や、施術を受けている姿を自然な雰囲気で撮影する。

投稿3: スタッフ紹介と専門知識のシェア
キャプション: 🌿スタッフ紹介🌿 今回は、当サロンのスキンケアのプロ、〇〇さんをご紹介!〇〇年以上の経験を持つ〇〇さんは、お肌の専門家です。彼女の秘訣をチェック!
写真のアドバイス:
• スタッフが施術中やカウンセリング中の写真を撮影。
• スタッフが使っている専門的な機器や化粧品を背景に入れて、プロフェッショナルな雰囲気を出す。

投稿4: 季節限定メニューの紹介
キャプション: 🌸今だけ!春のスペシャルメニュー🌸 春の訪れとともに、新しい〇〇メニューが登場しました!お肌を春仕様に整えるための特別なケアをぜひ体験してみてください💆‍♀️詳細はストーリーで!
写真のアドバイス:
• 季節感を出すために、春らしい花やグリーンを背景に入れて撮影。
• 使用する製品や施術の一部を写真に入れて、具体的な内容をイメージしやすくする。

投稿5: 健康や美容に関する情報提供
キャプション: 💡美容の秘訣💡 食事とお肌の関係性について知っていますか?健康的な食生活が美肌を作るカギ🗝️詳細はプロフィールから!
写真のアドバイス:
• 美容に関連する食材やサプリメントを含む写真を撮影。
• 美容に良いとされる食品や飲み物を実際にサロン内で使用している様子を撮影する。
これらの投稿例を参考にして、エステサロンの魅力を効果的に伝えるインスタ投稿を作成してみてください。写真撮影の際は、自然な光やサロンの特徴を引き出す撮影スタイルを心がけると良いでしょう。

引用元:ChatGPT

いかがですか?こんなやり取りが数分でできてしまいます。
素晴らしい出来!とまでは言い難いですが、「きっかけ」としては十分な働きではないでしょうか。特にネタ探しは、人間の頭よりも向いていると思います。

一方で、便利だからといって簡単に切り捨てないようにしないといけないこともあります。
実際のお客様の声に耳を傾けて記事にするのは、その場のスタッフにしかできない仕事ですし、もし投稿自体がモチベーションになっているスタッフがいるのにその仕事を取り上げたら、マイナスに働いてしまいます。

「プロンプト」って難しいの?

生成AI

よく「期待したような返事が返ってこなくて役に立たないと思った」「プロンプトが大事と言われるがよく分からないからできない」など聞くこともありますが、それは慣れることである程度解消できると思います。

「プロンプト」というのは、ChatGPTに指示を出す文章のことで、それをいかに的確に書けるかが、的を射た回答を得られるかどうかを左右すると言われており、その部分だけを取り上げた指南書なども出ています。

でも、そんなに気負わないで使ってみてほしいと、シンプルに思います。
人とコンピュータは違うとか言われますが、基本的には人に話すのと同じ。できるだけ意図に沿った明確な回答を得ようと思ったら、

「あなたは〇〇です(ChatGPTの立場を設定してあげる)」
「〇〇してほしい」
「目的は〇〇です」

まずはこの3つだけ伝えることができれば良し。

あとは出力の仕方については「〇個出してほしい」「箇条書きで」「〇文字くらいで」など細かく指示できますし、「理路整然と」「やわらかく」「小学生にも分かるように」など、テイストの指示もできます。

とにかく、できることがたくさんあるので、使って慣らしていくのが良いでしょうし、一問一答のみで終えなくても、それを踏まえた質問や希望を後で追加で書くこともできるので、一発目のプロンプトで100%を目指さなくても良いのです。

我が家の高校生の息子も、いろんな使い方をしていますが「プロンプトの正しい書き方」だなんて習ったわけではありません。習うより慣れろ、で始めています。
今はスマホなどでも、感覚的にやってみて習得していくことが多いので、もし充分にできそうにないからと使わずにいるならもったいないことです。

職業ライターの価値はどこに?ChatGPTが苦手なこと

生成AI

さて、こんなに有能なChatGPTですが、はっきりと苦手だろうなと分かることがあります。それは「意外性をもたせること」「人の心を動かすこと」

ChatGPTが作る文章って、「適切」で「妥当」だけど、「読んでいてもつまらない」「味わいがない」と感じる人は多いのではないでしょうか。「もっと面白そうに」などと指示をしてみても、いまいち良くなりません。
これは、生成AIが、ネット上にある膨大なデータから学習して、適切な言葉をつないでいるという成り立ちが分かっていれば、理解できることです。

そこにこそ、私はライターという人間の価値があると思っています。その価値はおそらく、インタビュー取材の場や、文章制作時の言葉選びで発揮されます。

主に自分のライターとしての仕事ぶりから話しますが、インタビュー取材に行くとき、私たちはひとまずの質問リストは作っていきます。目的に沿って、どんな話を聞くべきかを想定し、並べたものです。
ここまでなら、ChatGPTでも近いレベルで出来ると思います。

そして取材時相手に気持ちよく話していただきながら、なめらかに話をつなぎ、深堀りすべきと感じたところはどんどん攻めます。用意してきた質問の順番も、話の流れに合わせて変えますし、質問するのをやめたり加えたりも多々あります。直接質問の回答とは関係ないつぶやきから、話の本質につながる貴重な言葉が飛び出すことも。そんな瞬間を見逃さず、つかまえます。

私は、取材は「会話」だと思っています。時には同じ目線になって自分自身の話もしますし、言葉を引き出すために、あえて馬鹿になることもあります。

文章制作時の言葉選びや文脈づくりでは、インパクトを狙って語順を入れ替えたり、取材時の話がより伝わるようにたとえ話を入れたり同じ内容のことを違う言葉に変えたりします。
その人の人柄が出るように、わざと方言を混ぜてみたり、主語は僕か、私か、俺か、どれが適切か考えたり…。

そこまでの意図をもち、自分の感じてきたことを文章の味わいに変えるということは、ChatGPTにはまだできないのではと思います。

私はよく、言葉が伝わるためには「2つの分かる」が大切だという話をします。それは「分かる」「わかる~♪」「理解できた」「共感できた」という意味です。両方が揃ってこそ、読んだ人を心から動かして、行動につなげることができるのです。
ChatGPTはこのうち、「分かる=理解できる」文章を作るのは得意ですが、「わかる~♪=共感できる」文章にするのは、今のところまだ十分ではない気がします。

そこに、私たちライターの価値があります。なので依頼する側だとすれば、社長挨拶文をはじめ「想い」を届けたいもの、「共感」を得てその後の動きにつなげたいものは、インタビューライターに依頼するのが良いかなと思っています。

私が本当に怖いと思っていること

Z世代

ということで、皆さん上手にChatGPTと役割分担をして、主導権はこちらで握って、省エネできるところはして、文章制作をしていきましょうね、と締めて終わりたいところなんですが、実は私が本当に怖いと思っているのは、違うところにあります。

それは、人間がこの先、文章を読まなくなっていくのではないかということです。
人と人との間にあって、何かを伝えあう時に、言葉はとても有能です。言葉の持つ意味をお互いが知っていれば、あまりブレることなく伝えることができます。
けれど、読んで理解をするという営みは、脳にとって負担の大きいものなのかもしれません。

私は脳の専門家ではないので分かりませんが、Instagramが流行り、動画が流行り、我が子などは「140文字(Xの文字数制限)以上の文章を読むのは面倒だ」と言います。
それはつまり、言葉よりも、画像や動画の方が理解しやすく、受け取る側も疲れない、ということなのでは…?

あぁ、怖い。
心配は尽きませんが、それでもすべての人がそうなるわけではありませんし、読む人ほどしっかり理解と共感をして、ファン客になってくれる可能性も高いはず。言葉のもっている明確さや情緒が必要とされることを信じて、私は書き続けていこうと思います。

言葉で伝えることを大切に思い、その過程を人間にこそ頼みたいという皆さんは、ぜひ言葉工房トムにご相談くださいね。お待ちしています♪

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